[シングルス決勝]
○カルロス・アルカラス(スペイン) 7-6(4),6-4 イジ・レヘツカ(チェコ)
■アルカラスは決勝進出を決めると、自身が好調時のレベルに達していないと認めた上で「いいレベルに戻る道を見つけていきたい。簡単な道のりではなかったが、今、本当にそこに近くなってきている」と明かした。苦戦の連続で頂点に立った今大会は、まさに手探りで一歩ずつ前に進む道のりだった。
■目が覚めるようなクリーンなウィナーがあったかと思えば、信じられないようなエラーが出る。1回戦から3回戦まで第1セットはすべて、タイブレークにもつれた。ハウメ・ムナル(スペイン)との準決勝の第1セットは5-3から大失速、5-7でセットを失った。この戦いぶりには自分でももどかしさがあっただろう。しかし、アルカラスはポーカーフェースを保ち、「徐々に状態が戻ってきている」と前を向いた。
■この決勝でも、第1セットはタイブレークに持ち込まれた。その立ち上がりは2-4の劣勢。しかし、ここから5ポイント連取でセットを奪った。第2セットも3-3からブレークに成功。ネットに詰めるレヘツカに、思い切りのいいパスを見舞い、ポイントをもぎ取った。終盤は危なげない戦いぶりで、2セット連取でトロフィーを抱いた。アルカラスは「この週で最高の試合ができたと思う。最も安定していた」と満足そうに振り返った。
■ただ、頭の中には、まだ道半ばの意識があるのだろう。「一戦一戦、1大会ごとにベストを尽くし、その結果どんなものが出てくるかを見る段階だと思っている」と自身を見つめる目は冷静だ。アルカラスはこう続けた。「まだ自分の最高のレベルにはかなり遠い。けれども、そこから自分をいい状態に持っていくかという解決法を見出すことはできている」。
■初戦から決勝まで、常に強打あるいは守勢からのカウンターという、本来のプレーでポイントを重ねたわけではない。無欲で挑んでくる相手のストロークに押される場面も多かった。それでも、ドロップショットやネットプレー、弾道の変化などプレーの幅の広さを見せて、一つずつゲームをもぎ取った。「解決法」は何かと、懸命に模索したのだ。圧勝は一つもなかったが、「今の自分のベストを出す」ことができたから、アルカラスは「自分自身を誇りに思う」「素晴らしい1週間だった」と振り返るのだ。
(日本テニス協会)
























