ニュース

【2026/10/5】アルカラスは苦しみながらもムナルに逆転勝ち

[シングルス準決勝] ○カルロス・アルカラス(スペイン) 5-7,6-3,6-1 ●ハウメ・ムナル(スペイン)

■試合の前半と後半で、アルカラスがまったく異なる顔を見せた。第1セットは、攻めてはいても厳しさがなく、最後は相手の粘りに音を上げたようにエラーが出た。5-3と王手をかけながら、4ゲームを続けて失う失速を、アルカラスは「何が起きたかわからない」と振り返る。それでも、第2セット第3ゲームでブレークに成功したあたりから、ようやくギアが上がった。このセットは6-3、最終セットは序盤から5ゲーム連取で勝負の行方を決めた。そのときコートにいたのは、我々がよく知っているアルカラスだった。

■第1セット終盤のプレーについてアルカラスは「自分のレベルが低かった」と振り返る。混乱状態に陥りながらも、「なんとか食らいつかなくてはいけない」と立て直しを図った。ムナルが極めて堅実なプレーを見せていただけに、活路は一つ、「アグレッシブに戦うこと、フォアでもバックでも強打する」ことだった。ただ、急に息を吹き返したわけではない。第2セット、ブレークで2-1とした直後のサービスゲームは、4度のデュースの末に、なんとかキープした。そうして「徐々に徐々に自信を取り戻していった」結果が、第2セット以降のスコアだ。

■ときおり、自信を失ったようなプレー、信じられないようなミスが見られるのは、右手首の負傷による4カ月半の離脱の影響だろう。「過去のレベルには戻っていない。戻る道を見つけたい」とアルカラスは冷静に現実を見つめる。特に「安定性」「試合の中で、大会の中で、常に高いレベルを保つこと」に関しては、本来の姿との差が大きいと自覚している。確かに、今大会では試合の中で調子に波がある。それでも、こうして白星を重ね、実戦の機会を増やしていることが大きい。「徐々に安定性を保てるところまで戻ってきている」とアルカラス。ここでもまた、「徐々に」という言葉が聞かれた。

(日本テニス協会)