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【2024/10/20】予選から快進撃の伊藤あおいは準決勝敗退

[シングルス準決勝]
○キンバリー・ビレル 6-4,6-3 ●伊藤あおい(SBCメディカルグループ)

■伊藤が今大会で披露してきた、あおいマジックが影を潜めた。そうさせたのはセンターコートに吹く強風だった。「風下のときにすごく弱い。頑張って浅いスライスとか打とうと思ったんですけど、想像の10倍入らなくてびっくりしました。風上では、できるだけ打とうとは頑張りました。入らなかったです。ものの見事に1ボールぐらい全部ずれて、自分でもびっくりです」と伊藤が苦笑した。

■プレーでもコメントでも分かるように感覚派だが、土台にあるのは思考力だ。考え抜いて相手と競うのは得意だが「外的要因にかなり弱い」という。風だけでなく、コートが薄暗かったりすると、とたんにマジックが効かなくなる。「どれだけ頑張って考えても、その通りにボールが行かないので難しい。今後の課題です」と伊藤。予選からの快進撃は準決勝で止まった。

■だが、ベスト4入りは大きな自信になった。「このレベルの人たちと5試合連続でやって、今日が6試合目。レベルの高い人たちと試合を続けるのは大変だなって思ったのと、でも、私でもできるんだっていう自信につながりました」。月曜日に発表されるランキングで150位前後に浮上する見込みだ。1月の全豪で四大大会の予選に初出場できる公算が大きくなり、「ちょっとでも勝って、賞金欲しいなって思います」。

■海外遠征はあまり好きではないが、「稼がなきゃいけないなら、頑張ろうかなって」。夢は老後を楽しく暮らすことだという。そのために、「今後に不自由のないお金を稼ぎたい。グランドスラムに定期的に出られるくらいだと、うれしいです」。こんな言葉がどこまで本気か分からないが、全力を尽くそうという気持ちは試合を見れば伝わってくる。「頑張りはします。頑張りはするけど、努力はしたくないタイプ」。プレースタイルもライフスタイルも、アスリートの枠に収まりきらない大型新人の四大大会デビューが待ち遠しい。

(日本テニス協会広報部)

本記事は、日本テニス協会メールマガジン「Tennis Fan」の抜粋です。「Tennis Fan」の購読ご登録はこちらから!
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