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【2024/10/18】ツアー本戦初出場の188位、伊藤あおいが4強入り

[シングルス準々決勝]
○伊藤あおい(SBCメディカルグループ) 6-7(8),6-2,6-3 ●エバ・リス(ドイツ)

■「自分とやると相手も(調子が)落ちたりしてくれる場合が多い」という伊藤。今大会でも、フォアハンドのスライスなど緩急をつけたプレーに惑わされ、技術的、精神的にベストのプレーができなくなる相手の姿が見られた。ただし、予選から勝ち上がったリスには、精神的に崩れた様子はなかった。特に第1セットは集中力が高く、伊藤はタイブレークで振り切られた。

■しかし、第2セットは伊藤が盛り返す。たちまち5-1とリード、降雨の中断を挟み、6-2でセットを奪い返した。第2セットから「バックハンドが入ってきて、自分の好きな展開になった」と伊藤。流れをつかみ、プレーはより攻撃的になる。「いつもより打ってこうと思いました」と、フォアハンドでは威力のあるトップスピンの割合が増えた。最終セットも勢いは衰えず、鮮やかな逆転勝ちとなった。

■流れは自然に来たわけではない。「第1セットはセットポイントもありながらギリギリのところで取られ、割とメンタルに来た」と伊藤。精神的に痛かった、と言いながら、こたえているようには見えなかった。自他共に認める「へにょへにょ」なテニスだが、「内心では結構、荒ぶってる」という。第1セットを競り負けたことで、荒ぶる魂が目覚めたか。

■連戦で疲労がたまり、試合を終えると「本当に疲れた」とため息をついた。なかなかショットの調子は上がらなかったが、「気合い」で補った。心技体のうち、「心」で頑張ったのが、この試合だった。プレー同様、コート外でも力の抜けた態度の伊藤は「もう、人生、気合いさえあればなんとかなる」と報道陣を笑わせた。

(日本テニス協会広報部)

本記事は、日本テニス協会メールマガジン「Tennis Fan」の抜粋です。「Tennis Fan」の購読ご登録はこちらから!
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