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【2024/10/17】18歳の齋藤咲良がWTAツアーデビューの大会で8強入り。48位のアワネシャンに競り勝つ

[シングルス2回戦]
○齋藤咲良(富士薬品) 7-6(2),6-4 ●エリナ・アワネシャン(アルメニア)

■初戦は6-3,6-2で快勝したが、この2回戦は接戦だった。第1セットは3-5と先行を許し、次のサービスゲームでは相手にセットポイントを握られた。第2セット2-1からのサービスゲームでは、2度のダブルフォールトがあってブレークを許した。だが、齋藤は攻撃的なストロークと向上したサーブ力を生かし、何度もあったピンチを切り抜ける。ランキング差をものともせず、齋藤がトップ50選手を押し切った。

■WTAツアー本戦で初めて戦う18歳が、なぜ、競った試合をものにできるのか。単刀直入に聞いた。「競ったときに、取りたい気持ちが強くなると、今までは受け身で相手のミスを誘う形が多かったが、競ったときこそ強気で自分の得意な展開をして、その結果、ポイントが取れたらいいと考えていた。ポイントを取ることよりも自分のプレーに集中することが要因なのかなって思います」

■昨年の齋藤なら、世界48位との競り合いで「相手のミスを誘う形」を選んだかもしれない。「競ったときこそ強気で」できたのは、18歳なりに積み重ねた経験があったからだ。23年全豪オープン・ジュニアは第1シードで臨んだが、1回戦で敗退した。上位シードとして出場した全仏ジュニアとウィンブルドンジュニアも2回戦止まり。「シードのプレッシャーと一緒に戦って」悔しい結果に終わった。だが、苦い経験を糧にした。昨年10月、プロにまじって出場したITF W25の牧之原で下部ツアー初優勝。ジュニアの上位選手で競うITFジュニアファイナルズ」では準優勝した。また、つい前週の全日本選手権は18歳ながら第1シードで臨み、苦戦の連続ながら、競り合いをものにして準優勝した。こうした経験が今の戦い方を形作った。

■経験と言えば、今大会を開催しているモリタテニスセンター靱は、22年にITFジュニアツアーの国際大会大阪市長杯世界スーパージュニアで単複優勝した思い出の場所だ。「ホーム感があって、最初から落ち着いてプレーできた」と齋藤。ジュニアのトップ選手に飛躍した大阪で、WTAツアーの大海に力強く船をこぎ出した。

(日本テニス協会広報部)

本記事は、日本テニス協会メールマガジン「Tennis Fan」の抜粋です。「Tennis Fan」の購読ご登録はこちらから!
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