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【2024/10/16】伊藤あおいが50位のコッチャレットを倒し、ベスト8入り

[シングルス2回戦]
○伊藤あおい(SBCメディカルグループ) 6-4,6-3 ●エリザベッタ・コッチャレット(イタリア)

■「相手がパワータイプじゃなく、組み立ててくる、割と相性のいいタイプだったので、結構、自分の思う通りにプレーできたかなって思います」と伊藤が会心の試合を振り返った。得意のフォアハンド・スライスに、高い弾道のループボールと、ラリーのリズムを操り、正統派のコッチャレットを困惑させた。相手は、ラリーが思い通りにいかないイライラから大声を上げ、ボールを地面に叩きつけた。「それがないと私じゃない」と、相手に嫌がられるプレーを常に心がける伊藤。相手の仕草を見るたびに、獲物が針にかかった手応えを感じただろう。

■変則的なプレーだけではない。デュースコートのワイドのサーブで相手を追い出した上でのダウン・ザ・ライン、高い弾道で相手のゆるい返球を誘ってネットを奪う「スニークイン」と、様々な攻撃パターンを織り込む。理想のパターンはネットでフィニッシュする形だという。近年はなかなか見られない、変化に富んだテニスだ。以前はライジングショットからネットに出る速攻型を目指したが、「限界を感じ」、高校時代に今のスタイルを見出した。「筋肉の付きにくい」スリムな体格で、いかにパワーのある選手に勝つか。試行錯誤の末、身につけた独特のテニスが花開こうとしている。

■コメントもウイットに富む。コート上でのインタビューでは「物理的(身体的)なパワーはゼロに等しいが、気持ち的なパワーが今日はあった」と振り返った。「4ゲーム取ること」が目標と宣言して臨んだ試合だが、実際は「少しでも(多く)ゲームを取るっていう気持ちがあった」。表面的には飄々と、実際は心の中で『ドヤ顔』をつくりながら、熱く戦う20歳だ。

(日本テニス協会広報部)

本記事は、日本テニス協会メールマガジン「Tennis Fan」の抜粋です。「Tennis Fan」の購読ご登録はこちらから!
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