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【Flashback 2014年大会】錦織が歴史を変えた!

ATPTour.com
原文記事:https://www.atptour.com/en/news/nishikori-tokyo-2014-flashback-feature

■10年前、この日本のスター選手は、母国でのATP500大会で2回目の優勝を遂げた。

■地元のファンの天まで届くような期待、腰痛、触ることさえ不可能に近いサーブを繰り出す絶好調の決勝の対戦相手、天候を荒らす台風の接近。。。これらは2014年のジャパンオープンテニスチャンピオンシップで錦織圭の前に立ちはだかる問題だった。

■だが、日本のスターはこれら全てに打ち勝った。

■3セットの末にミロシュ・ラオニッチに競り勝った錦織は、満員の有明コロシアムの観客を満足させただけではなく、2012年にも優勝をしていた当時24歳の青年は、1972年大会の覇者、坂井利郎氏と同じ、自国出身の優勝者となり、大会の歴史上2回優勝した唯一の日本人、さらには、ステファン・エドベリ、ピート・サンプラス、ジム・クーリエという複数回優勝したATPの偉大な選手たちの仲間入りをすることとなった。

■錦織は日本の一大スターとして確立されてはいたが、2014年の東京での快挙の前には彼の存在は今までにないレベルまで高められていた。ATP500ハードコート大会の3週間前、彼はUSオープンでグランドスラム決勝に到達した初めてのアジア人となったのだ。そこに届くまでに、ラオニッチ、スタン・バブリンカ、そして世界N o.1のノバク・ジョコビッチと言う3人のトップ10選手を倒したのだった。

■ニューヨークでの決勝で惜しくもマリン・チリッチに負けはしたが、錦織は直ぐに立ち直り、クアラルンプールでツア−3勝目を手にした。東京に着いたときには、直近11試合中10勝し、PIF ATP ランキングで自己最高7位へと到達した。

■錦織が試合における最近のステップアップをホームファンに直接見せるのに、時間はかからなかった。彼はイワン・ドディグ、ドナルド・ヤング、ジェレミー・シャルディーとの開幕3試合でストレート勝利を収め、準決勝ではベンヤミン・ベッカーに4-6、6-0、7-6(2)で勝った。

■「素晴らしい気分。ここは僕の故郷であり、いつもたくさんのサポートを感じている」と、ベッカー戦で時々腰痛で動きが制限されるように見えた錦織は語った。

■錦織は東京での試合には慣れていたかもしれないが、決勝の対戦相手も同様だった。ランキング8位のラオニッチは、日本の首都での3年連続の決勝に向けて、1週間を通して1セットも落としていなかった。カナダ出身の彼は、2012年の決勝戦の最初の試合で錦織に敗れた雪辱を果たそうとしていた。

■台風の影響で東京に大雨が降ると予想される中、錦織とラオニッチの決勝は屋根の閉まった状態で行われたが、そのような状況の変化にもかかわらず両選手のトロフィーをかけた健闘は止めることはできなかった。 2012年の決勝戦と同様、錦織はタイブレークにもつれ込んだ接戦で第1セットをものにし、その後ラオニッチが反撃して勝負はファイナルセットに突入した。ここでもホームファンの歓声を浴びた錦織が、7-6(5)、4-6、6-4で勝利をかろうじて収めた。

■この勝利で、錦織は2014年のツアーレベルでの4回目のトロフィーを獲得した。これはATPツアーの1シーズンでの個人最高記録であり、トップ10のライバルであるラオニッチとのLexus ATP Head2Head serie(過去の対戦記録)では4勝1敗となった。スタンドでコーチのマイケル・チャンと涙ながらに抱き合った後、感情的になった錦織は全米オープンでの失望から立ち直るのがいかに大変だったかを認めた。

■「信じられないくらい素晴らしい。2週間連続で勝ったのは初めてだと思う」と彼は語った。「全米オープンの後はモチベーションを維持するのが大変だった。グランドスラムで初の決勝に進出することが夢だったので、精神的に切り替えが大変だった」

■東京での勝利は、錦織が2014年のNitto ATPファイナルに出場することを可能とした。ロンドンでの権威あるシーズン最終戦に初めて出場した錦織は、アンディ・マリーとダビド・フェレールを破ったが、準決勝でジョコビッチに敗れた。錦織は自己最高の54勝14敗のシーズンを終え、2015年3月にPIF ATPランキングで自己最高となる4位に到達した。

■今年、34歳の錦織はハードコートATP500で9度目の出場となる東京に戻ってくる。これは2018年に3度目の決勝(ダニル・メドベージェフに敗退)進出を果たして以来のことだ。地元の人気選手である錦織は、怪我のため2021年以降わずか11大会しか出場していないが、すでに伝説が確立されているこの大会で、信頼できるホームのサポーターの力を借りて、20勝6敗という記録をさらに伸ばそうとすることは間違いないだろう。