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【2024/9/30】フィスはルネとの大接戦を制す

[シングルス準決勝]
○アルトゥール・フィス(フランス) 7-6(8),7-6(10) ●ホルガー・ルネ(デンマーク)

■両者、死力を尽くしての2時間23分、2セットともタイブレークにもつれる熱戦は、フィスの勝利で幕を下ろした。両者ともツアー有数の強打の持ち主だが、その強打が容易にウィナーにならない。ともに脚力と体の強さに恵まれ、高い守備力を誇る。しかも、ルネが21歳、フィスが20歳と若くて馬力がある。ベースラインのはるか後方からネット際まで精力的に走り、相手のショットを拾った。攻めと守りが目まぐるしく入れ替わった。1ポイントがなかなか決着しなかった。

■第1セットを落としたルネは集中力を失い、ラケットを壊したが、第2セットはメンタルを立て直し、ねばり強くプレーした。フィスもこの変化を察知、強打一辺倒から、丁寧にラリーを行う戦い方に切り替えた。「僕も戦略を変えなければならなかった。冷静でいること、走り負けないようにすることを心がけた。たくさん走ることは気にならなかった。とにかく集中することに努めた」。力任せにねじ伏せようとしたら、ルネの思うつぼだったはずだ。その冷静さが勝敗を分けた第一の要因だ。

■ただ、タイブレークはどちらに転ぶか最後まで分からなかった。ルネは3-6の窮地から生き返り、逆にセットポイントを握る場面もあった。相手のリターンエースで追いつかれたフィスは「第3セットになることも考えた」という。だが、「その瞬間のことだけ考えるようにした」と集中力を最後まで保った。

■決勝で同じフランスのウーゴ・アンベールと対戦する。「フランス選手同士の決勝は素晴らしい。彼は仲のいい友だちだが、明日、コートに立ったら、もう友だちではない。互いにベストを尽くして、どうなるかだ」とフィス。フランス選手同士のツアー大会決勝は20年以来となる。

(日本テニス協会広報部)

本記事は、日本テニス協会メールマガジン「Tennis Fan」の抜粋です。「Tennis Fan」の購読ご登録はこちらから!
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