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【2024/9/29】小田凱人がフェルナンデスを下し、大会連覇を達成

[車いすテニス・シングルス決勝]
○小田凱人 6-3,6-4 ●グスタボ・フェルナンデス(アルゼンチン)

■新旧世界ランク1位同士の対戦、そして、パリ・パラリンピック準決勝の再戦は小田の快勝だった。第1セットは4-3から両者を通じて初めてブレークに成功、6-4で先取した。第2セットは中盤からブレーク合戦になったが、小田が抜け出した。要所を押さえた18歳の、堂々のストレート勝ちだ。

■「僕が見たい景色、想像した景色がそのまま現実になった感じ」。優勝スピーチで使った「見たい景色」という言葉を、小田は記者会見でも繰り返した。車いすテニスの認知度、人気を上げる--引退した国枝慎吾さんから引き継いだ使命だ。この日の注目試合は午後6時以降に開始予定のナイトセッション、錦織圭-ホルガー・ルネ(デンマーク)戦だったが、小田が登場するデイセッションの入場券も完売した。「車いすテニスを見に来たお客さんが多分たくさんいたと思う。僕の中では、新しい、理想的な形。そこが一番よかったポイントだった」。

■膨れ上がった観客席を背に、小田が躍動した。クロスの強打でフェルナンデスを揺さぶる。コートの中に入ってタメを作り、相手の動きを見極めた上でノータッチのウィナーを決める。極めつけは、サービスラインの内側まで入って打つドライブボレーだ。超攻撃型のプレーに、元世界1位のフェルナンデスも、あきれたような表情を見せた。「途中からお客さんが入ってきて、僕のプレーもどんどん上がって、みんなで試合を作れた感じだった」。これこそ、小田が見たかった「景色」だ。

■パラリンピックの金メダル獲得で起こした波を「ブームで終わらせたくない」と、今大会に出場した。シナリオ通りに2連覇を達成、ここまでが小田にとっての「第1章」だという。「思い描いたより、いろんなことをできた」と達成感は十分だ。第2章では、どんなストーリーを描くのか。「気持ち的に再スタート、色々やりたいことがある。(パラリンピック)ロス大会に、また違った姿で挑みたい」。若き王者が瞳を輝かせた。

(日本テニス協会広報部)

本記事は、日本テニス協会メールマガジン「Tennis Fan」の抜粋です。「Tennis Fan」の購読ご登録はこちらから!
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