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【2024/9/29】錦織圭は接戦の末、ルネに敗れる

[シングルス準々決勝]
○ホルガー・ルネ(デンマーク) 3-6,6-2,7-5 ●錦織圭

■マッチポイントを逃して敗れた錦織は、ひざに手を置き、しばらくその場を動かなかった。マッチポイントを握ったのは、相手のサービスゲームだった。威力のあるサーブを打たれ、リターンが返らなかった。ルネがメディカルタイムアウトをとるなど、終盤は両者が最後の力を振りしぼっての体力勝負になった。ルネの動きは落ちていたが、ピンチで渾身のサーブを放ち、錦織のサーブにリターンで襲いかかった。一方、マッチポイントまでたどり着いた錦織だったが、最後にひと押しするエネルギーは残っていなかった。

■「(終盤は)簡単なミスも出たし、ちょっと足が動いてくれなかった。体力不足とバネのなさが最後に出たと思う」と錦織。相手の粗さにつけ込み、簡単に第1セットを奪ったが、第2セット以降、堅実に深く返してくるルネのボールに苦しみ、ラリーで押される場面が増えた。第3セットは気力で脚を動かしたが、及ばなかった。

■「第2セットの終わりくらいから結構きつかった。長いラリーが増えたのもなかなか大変だった」と話した錦織だが、「相手もかなり疲れていた。お互いにきつい試合だった」と「体力不足」とした前言を半ば撤回した。それくらい、両者にとってぎりぎりの戦い、紙一重の勝負だった。

■だから、勝ちを逃した悔しさの一方で、ポジティブな感触も得た。調子はよくても結果が出ない試合が続いていたが、今大会は勝ち星を二つ重ねた。「3試合を通してかなりいいフィーリングはあった」という。2回戦のあと、「これが続いてくれれば、トップ10に対しても戦える兆しは見えてくる」と話したが、3試合続いたことになる。

■開幕前に「トップ10には到底勝てない」と現状を分析したが、ルネとの試合を終え、「どっかでいけるんじゃないかなとは思いながら、ああいうことを言っちゃった」と、これも前言を翻した。やや遠回りする形になったが、錦織なりの「復活宣言」と受け取っていいだろう。

(日本テニス協会広報部)

本記事は、日本テニス協会メールマガジン「Tennis Fan」の抜粋です。「Tennis Fan」の購読ご登録はこちらから!
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