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【2024/9/26】錦織圭がチリッチを破って初戦突破

[シングルス1回戦]
○錦織圭 6-4,3-6,6-3 ●マリン・チリッチ(クロアチア)

■これこそ、我々が待っていた錦織のテニスだ。14年全米の決勝で完敗したチリッチとの1回戦。対戦が決まると「ほぼ同世代で、同じ境遇(故障による長期離脱)を味わってる選手、気持ちは入ると思う」と話した。その言葉通り、気迫を込めた3セット。結果は10年前の全米とは逆で、錦織の勝利となった。

■前週の大会で優勝と、好調のチリッチは序盤から低い弾道の強打を打ち込んできた。「じっくり行きすぎた」錦織が押される展開が続く。しかし、返球の質が高かった。フォアでもバックでも、クロスは正確にコーナーに収め、ときおり、いやらしいほど角度をつける。「ステップインさせてくれなかったので、ちょっと守備的にならざるを得なかったが、結構、アングルや深い球をしっかり打てた」。これが第1セットを取った要因だ。

■第2セットは落としたが、第3セットは攻める場面が増えていく。引き金になったのは得意のバックハンドだ。相手の低い弾道の高速バックハンドに対し、思い切ってストレートに持っていく。勇気を出して打ったダウン・ザ・ラインが、自分を鼓舞するショットになった。「相手に怖さも与えられただろう」と錦織。ベースラインから下がらず、早いタイミングで攻める場面も増えた。最後は錦織の独壇場だった。

■デビスカップ日本対コロンビア戦で世界ランキング237位と対戦した錦織は、完勝にもかかわらず、「思うようにプレーできなかった」と話した。低い自己採点の理由が今では腑に落ちる。錦織はこれだけのプレーができる選手だ。相手が強ければ強いほど、プレーの質が上がる。満員の有明コロシアムのファンに、その怪物ぶりを見せつけた。

(日本テニス協会広報部)

本記事は、日本テニス協会メールマガジン「Tennis Fan」の抜粋です。「Tennis Fan」の購読ご登録はこちらから!
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