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【2023/10/18】張之臻がフルカチュに逆転勝ち

[シングルス1回戦]
○張之臻(中国) 3-6、6-4、7-6(4)  ●フベルト・フルカチュ(ポーランド)

■有明に初めて登場した張は、日本のテニスファンにその戦いぶりを強く印象付けた。前週の上海で敗れたばかりの世界11位を相手に、2時間15分の激闘を制した。「勝ち切るのは簡単ではなかった。勝ててうれしい」。冷静沈着だったプレー中の顔から変わって、笑顔を見せた。

■ともに身長は190センチ台で体格は互角。ただ、プレースタイルは異なる。フルカチュはツアー屈指のサーブ力を持ち、長い手足を生かしたパワフルなストロークに、ドロップショットなどトリッキーなプレーも交える。一方の張はストロークをコート深くに送ってチャンスを待ち、ネットに詰めるオーソドックスな形だった。

■流れは行きつ戻りつし、第2セットの第10ゲームをブレークして、張がフルセットに持ち込んだ。試合が進むにつれて、前週のマスターズ上海大会で6試合を戦って優勝したばかりのフルカチュは、言うことを聞かない体にいら立ちを隠せなくなった。張は大事なポイントを取っても、小さくこぶしを握るだけ。静かに闘志を燃やし続け、最終セットをタイブレークの末にもぎ取った。「厳しい局面で集中力を失わないようにした。最後までやり切った」。

■2021年には予選突破してウィンブルドンに初出場し、昨年10月にはトップ100に初めて入った中国選手となった。呉易昺とともに、中国男子テニス界の歴史を塗り替える躍進をしているが、「プレッシャーはない。(女子の)鄭欽文の方が私よりも有名だ」とさらりと答えた。日本との縁も深い中華台北出身の元世界33位、盧彦勳をコーチにつけている。

■先月の杭州アジア大会決勝で綿貫陽介(フリー)を破った中国ナンバーワンは、57位とトップ50入りも目前で、「一歩ずつランクを上げて、トップ50への道を進んでいきたい」。世界11位に一歩も引かずに勝ち切った自信も、その糧になるに違いない。

(日本テニス協会広報部)

本記事は、日本テニス協会メールマガジン「Tennis Fan」の抜粋です。「Tennis Fan」の購読ご登録はこちらから!
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