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【2023/10/17】ダニエル太郎はシェルトンに惜敗

[シングルス1回戦]
○ベン・シェルトン(米国) 3-6,6-4,7-6(2) ●ダニエル太郎(エイブル)

■今年のウィンブルドンで5セットを戦った両者が、今回もフルセットの熱戦を演じた。どちらもスリリングな接戦だったが、ウィンブルドンで敗れたダニエルも勝ったシェルトンも、プレーの質は今回のほうが高かった。

■惜敗のダニエルが指摘したのは、シェルトンのグラウンドストロークの成長だ。「ウィンブルドンのときにはサーブを返せばポイントが取れるみたいな感じだった」。サーブは脅威だが、ストローク戦になれば自分の優位は動かないと見ていたのだ。ウィンブルドンのシェルトンはパワーに頼り、5セットの中で隙を見せる時間帯もあった。だが、この試合では、強打だけでなく展開の中でチャンスを探る場面も多く、その分、堅実さが増した。「全てでウィナーを打つことはできないので、賢いやり方でゲームを展開していくことを少しずつ身に付けている」とシェルトンは言う。

■「第1セットは相手がまだリズムをつかめなかった。もうちょっとああいうミスが第2セットとかにもほしかった」とダニエルが話したように、シェルトンは試合の中でプレーを修正する巧みさも見せた。「結構良いプレーができた」と振り返ったダニエルだが、シェルトンの我慢強さ、丁寧さが勝利を引き寄せた。

■ダニエルには悔しい敗戦だった。97位というランキングは、少しでも成績が落ちればグランドスラム本戦枠から外れてしまう。「コートにいるときは、そこに振り回されないようなプレーをしていけるように」と分かっていても、ランキングポイントとの戦いはテニス選手の宿命だ。良い試合ができたという手応えよりも「勝ちたかったなっていう気持ち」が少しまさっている様子だった。

(日本テニス協会広報部)

本記事は、日本テニス協会メールマガジン「Tennis Fan」の抜粋です。「Tennis Fan」の購読ご登録はこちらから!
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